霊感恐怖夜話
~霊能者が体験したコワい話~

霊能者が体験した、悪霊、怨霊、因縁などにまつわる恐怖の実話をお届けいたします。

第10回

「復活愛の相談」イベントの占いブースに現れた女は、ボロボロになった写真を取り出して……。

霊能館公開

話の発端は三年前にさかのぼります。某地方都市の秋祭りイベントに設けられた占いコーナーで出張鑑定をしたのですが、そこでとても恐ろしい目に遭いました。当日は昼食を摂る時間もないくらいの盛況でした。私を含めて五人の占い師が参加していたのですが、どのブースもお客さんが途切れることがなく皆、昼食を摂る暇もありませんでした。ようやく空いてきたのは午後四時過ぎで、これでやっとご飯が食べられると思っていた矢先にまた新しいお客さんが飛び込んできました。赤いワンピースを着た髪の長い女性で、見た感じは三十代の前半。顔立ちはとても綺麗なのですが、どことなく暗い感じがする人でした。

彼女がうつむいたまま小さな声で語った相談内容は、恋愛の復縁に関する事柄でした。
「三年前に別れた人がいるのですが、その人ともう一度やり直したいんです。今まで何人かの占い師や霊能者の先生に相談したんですが、皆さんに無理だと言われました……。でも、どうしても諦められなくて……。」
そう言いながら、膝に置いたバックから一枚の写真を取り出してきました。縁がボロボロになったその写真には一人の男性の半身が写っていたのですが、皺だらけになっていて顔立ちも判別しがたいような状態でした。その時点で私は何か不吉な違和感のようなものを覚え、この女性に関わってはいけないような気持ちになっていました。もちろんこうした感情はプロの占い師としては失格なのですが、その時ばかりはどうしても自分を抑えることができなかったのです。見るともなく見える彼女のオーラは真っ黒で、そこに稲妻が走るような赤色が混じっていました。さらに何体かの得体の知れない人霊が取り憑いているのも見えました。私の質問を無視するように切々と自分語りを続ける彼女の口調も恨みの念に満ち溢れており、それを聞いているうちにひどいめまいに襲われ……しまいには一瞬、意識が飛んでしまったのです。その隙に女の姿は目の前から消えていました。

その晩、仕事を終えて自宅に帰ってからも女のことが頭から離れませんでした。あれは一体、何だったのだろう。もちろん幽霊ではないことは分かっている。けれど彼女が発していた未練と恨みの念は尋常ではなかった。多分あれはもう、心が鬼になっている。そんなことを思いながら、洗面所のドアを開けたら……すぐ目の前にあの女が立っていました!明らかに生き霊でした。女の姿はすぐに消えましたが、床にはあのボロボロの写真が落ちていました。それからというものプライベートや仕事の最中、何かの拍子に彼女の生き霊を見るようになり、それは現在も続いています。生き霊浄化の技法も試しましたが無駄でした。どうして私の所へ現れ続けるのか、その理由も分かりません。さらに生き霊よりもなお恐ろしいのは、あの写真に写っている男性のこと。私の霊視では、あの人はすでに亡くなっています……。