やってはいけない!!
~霊障・憑依・祟りを呼び込む日常タブー集~

悪霊・邪霊との遭遇を避ける方法を、長年に渡って霊能祈祷師として活躍してきたA女史が簡潔にお伝えします。

第9回

御守り、お札を溜め込んではいけない!

霊能館公開

最近はパワースポットブームの影響で、各地の有名神社や寺院などを訪れる人が増えていると聞きます。とくに若い女性たちの間では、観光旅行を兼ねて縁結びの御利益があるとされる神社仏閣をハシゴするのが流行りだとか。むろん神様や仏様に願を掛けること自体は決して悪いことではありませんし、神社や寺院で清らかな気のパワーをいただくのはとても良いことだと思います。ただし、ひとつだけ注意したいのは、そういった寺社でいただく御守りやお札の取り扱いです。訪れた先々の神社仏閣で御守りを買い求め、それが複数溜まってしまっているという方はおられませんか?二つ、三つ程度であれば問題はないのですが、五つ以上溜まってしまった御守りをひとつにまとめて持ち歩いているというのは決して感心できる行為ではありません。数多くの御守りやお札を一所にまとめてしまうと、そこに込められた御神仏の分霊が喧嘩をしてしまうことがあるからです。

神様や仏様には、それぞれ系統というものがあります。例えば神道では、神々の系統は天津神、国津神のふたつに大別されます。天津神とは高天原から天降ってきた神様で、これに対して国津神は元々から日本の国土を治めていた神様のことを指します。ただし古事記や日本書紀で有名な須佐之男命(すさのおのみこと)や大国主命(すさのおのみこと)などは元々、高天原から天降ってきた神であるものの国津神の系統に入っています。また全国に数多いお稲荷さんにも二つの系統があり、仏神天部の荼吉尼天(だきにてん)をおまつりする豊川稲荷系の寺院と、神道の豊饒神である宇迦之御魂(うかのみたま)を御祭神とする伏見稲荷系の神社に別れています。こうした系統ごとに各々の御神仏には相性のようなものが存在しています。それを無視して神棚にお祭りしたり、複数の御守りを集めたりすることは御神仏に対する非礼に当たるのです。

以前、経営する会社が業績不振に陥っていた男性社長のご相談に乗ったことがあるのですが、そこの事務所の神棚には鹿島神宮と諏訪大社の神札が並んでいました。鹿島神宮と諏訪大社の御祭神は、それぞれ建御雷神(たけみかづちのかみ)と建御名方神(たけみなかたのかみ)で、この両神は古事記に出てくる出雲の国譲りの際に激しく戦った間柄。それを一緒にお祭りして、当の神様方が喜ばれるはずはありません。「経営不振から脱却するには、まずこの神棚を何とかしてください」と指摘すると、社長は非常に驚いていました。余談ですが、神棚に祭る神札は中央に天照皇大神宮、向かって右に氏神神社、左に崇敬神社のものを置くのが正式な作法です。とにかく、お土産感覚でお札や御守りをむやみやたらと買い集める行為は止めましょう。とくに御守りをいただく際には、自分自身が心から信心する寺社、あるいは自分の祈願内容に最も合ったものをひとつだけ持つのが最良です。多くても三つまでと心得ておいてください。