霊感恐怖夜話
~霊能者が体験したコワい話~

霊能者が体験した、悪霊、怨霊、因縁などにまつわる恐怖の実話をお届けいたします。

第9回

「呪いの指輪」久しぶりに親友と再会した時、その薬指に輝いていた指輪に不吉な波動を感じて……。

霊能館公開

うちの母は昔、占い師をやっていました。私もその血を引いたらしくて頻繁に予知が当たったり、死ぬ人が事前に分かったり……。いわゆる霊体験は豊富にあります。で、つい最近もその手の体験をしました。去年の夏のことなのですが、高校時代の友人が故郷から遊びに来るとのことで、休日に都内の名所を案内してあげることになりました。六本木、渋谷、代官山などを一通り巡ったのですが、その間ずっと彼女の薬指に嵌められていたルビーの指輪が気になっていました。何だか凄く嫌な感じというか変な波動を出していて、こちらが少しでもそれを気にすると、とたんに両肩がズシンッと重くなるのです。

それで夕方の食事の時に、それとなく彼女に指輪のことを訊ねてみました。そうしたら嬉しそうに笑いながら、「今、付き合っている男の人にもらったの」って。彼女の話では、その男性とはかなり上手く行っているようで、婚約指輪であるとははっきり言いませんでしたが、多分そういう意味合いで贈られたのだと思います。そんな指輪に対して、まさか良くない波動を発しているなんでとても言えませんから、話はそこまでになりました。その後、彼女をホテルへ送って自宅へ戻ったのですが、夜、凄く奇妙で怖い夢を見ました。一人の女が薄暗い部屋の中で自分の掌へヨダレを垂らしていたのですが、よく見るとヨダレではなく真っ赤な血だったんです!しかも、女の掌の上にあったのは、友人が嵌めていたあのルビーの指輪……。それから二週間後、友人が交通事故に遭ったという知らせを聞きました。原付に乗っていたところ、乗用車と接触して転倒し、全治一ヶ月の重傷を負いました。そしてその知らせを受けた夜、私はまたもやあの夢を見たんです。同じように女が自分の口から吐いた血を指輪に垂らしている夢……その顔は不気味に笑っていました。もう居ても立ってもいられなくなり、友人が入院している病院へお見舞いに行きました。ベッドで寝たきりの彼女に指輪のことを話したところ、当然、嫌な顔をされました。でも、私に霊感があるということは昔から知っていたので、「彼がお見舞いに来たら、どこで買ったのか聞いてみる」と言っていました。

後日、友人から連絡があり、「彼と別れた」と告げられました。
「あの人に指輪のこと、問い詰めたの。私の指のサイズにちょっと合っていなかったのも気になっていたし。そうしたら私のために買ったんじゃなくて、前の恋人に贈ろうと思って取って置いたものだって分かったのよ!」
交際相手の元恋人は、数年前に不治の病に罹って亡くなったそうです。その女は自分に贈られるはずだった指輪が、友人の指を飾っていたことがどうしても許せなかったのでしょう。あのまま放っておいたら、最終的に友人は女の霊に取り殺されていたと思います。じつは今も時々、女の夢を見ます。取り戻したルビーの指輪を自分の薬指に嵌めてうっとりとしています……。